………ほんのこの間までともに組んでいた、 二人にとって最高の仲間だった女性は、先日 結婚を理由に故郷へ戻ってしまった。 その遠因が、ピオニーへの失恋にあったこと を思えば、ジェイドの口調に皮肉が混ざるの も無理からぬことと言えよう。 「仕方ないだろうが…そりゃあ。俺だってネ フリーは好きだったさ。ちゃんと愛してたし、 女の中じゃ最優先してたんだぜ?だけど、お 前にまで焼き餅やかれると…なあ」 つきあってられんだろうがよ。 あっさりと言い切るピオニーに、ジェイドは 溜息をついてこう洩らした。 「そんな誤解を与えるようなあなたの言動が 問題だとは思わなかったのですか?」 「ああ?なにかまずいこと、おれが言ったか ?」 本当に自覚が無いらしいピオニーの言葉に、 ジェイドはがっくりと 肩を落とした。 「別に、いいですが、もう…。ただしくれぐ れも…そうですね、私の顔を褒めたり素直な 感想を口にするのは慎んでいただきたいもの です」 「なんでだ?」 自覚皆無の相棒の、心底不思議そうな問いに、 ジェイドはそれ以上説明せず、強い口調で繰 り返し、ピオニーはしぶしぶうなずいた。 『其は力を放つ者』P173〜174 ------------------------------ 出演は トリノアーク…ピオニー ナウルニール…ジェイド サギスリーニ…ネフリー でお届けしました ……まんますぎて恐ろしい…… つうかこの会話を聞いて 例え「男色の気など欠片も無い」といわれても、 妄想せずにいられない腐女子がいるだろうか。否、いないだろう(反語) 背景が見えない方は ⇒ ◆